いろいろな商売に手を出しては失敗を繰り返した。そんな私を助けてくれたのは、祖父からもらった25枚の「聖徳太子」だった。 祖父は父と同じくコメを買い付けるのを仕事にした。困っている人にお金を貸して、農家からも愛される豪快な商人だった。 小学生の頃、早朝でも私をたたき起こし、仕事に連れて行った。祖父はまだ真っ暗な家に勝手に入り、電気を付けて湯を沸かした。それでも「何だ、松崎さんか」とだけで済...
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