会津若松市の猪苗代湖で2020年9月、航行するプレジャーボートで3人を巻き込み死傷させたとして業務上過失致死傷罪に問われ、一審福島地裁で禁錮2年判決を受けたいわき市の元会社役員佐藤剛被告(47)の控訴審第3回公判は8日、仙台高裁(渡辺英敬裁判長)で開かれ、検察側は控訴棄却、弁護側は無罪を主張し結審した。判決公判は12月16日午後2時半から。
亡くなった千葉県野田市の豊田瑛太さん=当時(8)=の遺族代理人が「4年間瑛太や被告のことが頭を離れず、瑛太との思い出は振り返られていない。被告は反省しているように思えず、数年で社会復帰できるというのは到底許せない」と陳述書を代読した。
弁護側は最終弁論で、検察側は被害者が浮いていた場所を正確に特定できていないと指摘。被害者が浮いていたとされる場所と被告がボートを操縦し始めた距離から「加速後、7秒以内に被害者が死角に入った可能性があり、手前で見張りをしたかが重要だ」とし、被告はエンジン始動時に安全確認をしたが被害者を発見できず「見張りに落ち度はない」と主張した。