【3】苦い経験から始まった 旅する書道家・千葉清藍

03/04 15:00

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旅で訪れた松川浦の海岸。土地の思いを書に込めるため砂浜の石を文鎮代わりに使い、海面が輝き、心地よい波の音を「波音」という書で表現した

 苦い経験が旅の始まりだ。 書道の師が亡くなって迎えた2009(平成21)年。私は書道家としての自分の力を試してみたくなり、郡山市で初めて個展を開いた。でもそれはうまくいかなかった。 「伝わってこない。書がたたずんでいる」 来場者のひと言が自分でも納得できた。 個展で私は臨書ではなく、初めて自由な発想で書くことに挑戦した。失敗の要因は会場の雰囲気を意識しすぎて字を書いたこと。書に気持ちが入っていな...

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