見渡す限りに青々と広がる田園風景が忘れられない。 太平洋を間近に望み、生まれ育った楢葉町山田浜地区にはかつて、古里の原風景があった。物心のついたころから田植えを手伝い、カエルの鳴き声がうるさいほどに聞こえた夏の夜も今は懐かしい。 先祖代々受け継がれてきた水田と畑は、東日本大震災の津波でがれきに覆われた。東京電力福島第1原発事故の避難で集落から一時人の姿が消え、農家の営みは途絶えつつあった。 「松...
この記事は会員専用記事です
残り526文字(全文726文字)
続きを読むには「みんゆうプラス」の会員登録もしくは
「福島民友新聞購読」の申し込みが必要です。