大学を卒業した私は実家に帰っていた。 本当は修業を積むために、横浜市の大きな写真館に就職が決まっていた。だが、私はしらばっくれた。理由は大学でろくに勉強をしなかったため、写真の知識が丸っきりなく、怒られるのが不安だったから。もう一つは、根本的に人に使われるのが嫌だったからだ。どうしようもない人間だった。 仕方なく父の下で働き始めた。戻ってきても遊び放題。夜も飲みに行ってばかりだった。 ただ、嫌だ...
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