【4】営業が職人への第一歩 西内染物店2代目・西内清実

09/03 14:22

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伊勢崎市での修業を終え、店に戻った30代の頃の私。同世代の職人仲間との共同生活は本当に充実した2年間だった

 染め物職人としての第一歩はセールスマンだった。  終戦後、私は1951(昭和26)年に相馬農高を卒業し、本格的に家業の染め物店で働き始めた。当時、染め物作業は人手が足りていたので、まずは営業を任された。  18歳の若造ながら、染め物屋の跡取りとしてすっかり一人前気取り。ハンチング帽に詰襟服姿で、地図を頼りに相馬市から浪江町方面まで一人自転車を走らせた。朝から晩まで農家を回ったが、最初の頃は全く注...

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