「もう二度と旗は作りたくない」 そう思ったほど、1978(昭和53)年秋から翌年夏にかけての私は染め物職人として多忙な1年間を過ごした。 相馬野馬追が78年5月、国の重要無形民俗文化財に指定されたことが契機だった。指定を受け、旗作りの全工程を一貫して行う地元の染め物屋に、役旗一式などの制作を全て任せたいと相馬野馬追保存会が考えたのだ。 私の店では、常連客からの例年の注文も合わせると、翌年の...
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