秘策とは、フライングぎりぎりのロケットスタートだった。 1972年夏のミュンヘン。男子100メートル平泳ぎ決勝で、私は「秘策」を繰り出した。周りの選手がスタート台で静止する中、スターターにも悟られないほどわずかに体を動かし、スタートのピストル音にいち早く反応する方法で最高の滑り出しを見せた。 「スタートを少しでも速くできないだろうか」。三原三中からの水泳仲間と、コンマ1秒を削ろうと意見を...
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