【８】理屈超えた感動がある　星の村天文台長・大野裕明

　皆既日食とオーロラを見ることがライフワークの一つだ。　理屈では言い表せない感動がある。初めて皆既日食を観測したのは１９８０（昭和５５）年のインドだった。当時はマラリアやコレラが流行していたので、予防接種をしてから海を渡った。　まさに命懸けの観測。星仲間から餞別（せんべつ）をもらったほどだった。感染に注意しなければならない状況だったが、「太陽が呼んでいる」と、自分に活を入れた。観測は大成功。友人へ...