翻訳という仕事は勝手が違った。 英語の同時通訳が職業だったので、読み書きや話すことには不自由はなかった。しかし、文芸書の翻訳は、著者に肉薄して、細部に至るまで内容を理解し、一つ一つの単語や文章の背景を調べないといけない。日本語力はあるつもりだったが、訳し始めるとそれがとんでもない思い上がりだと知ることになる。良くも悪くもその場限りの通訳とは違い、翻訳は後々まで残る。いいかげんなことはできない...
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