ラジオから途切れ途切れに流れるわらべ歌が私の人生を変えた。 「人生を諦める」ためのテーマを探していた頃、大学を卒業して教員となり、川口高に赴任した。学校のある金山町は山深い奥会津の小さな町。夕方に只見線の最終列車が出ると、ラジオ放送を聞くぐらいしか楽しみがない。手製の真空管ラジオで新潟県の放送局の電波を捉えるとわらべ歌が流れてきた。 《上見れば虫こ、中見れば綿こ、下見れば雪こ》 このフレーズを繰...
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