【11】悲しみ、知っているから 民俗芸能を継承するふくしまの会理事長・懸田弘訓

12/04 15:00

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17歳で亡くなった祐嗣と私(左)。彼が生まれてくれたことが、今の私の力になっていると思っている

 「子どもに先立たれるほどつらいものはない」と聞くことがある。この本当のつらさは当事者にしか分からない。 震災と原発事故で、県内でも多くの人が犠牲となった。民俗芸能や祭りの研究でお世話になった人も亡くなった。中には奥さんや娘さんを亡くした人が何人もいる。 「頑張ってください」などと言葉を掛けても、彼らにはむなしいだけ。慰めの言葉を掛けられるのは一番迷惑だ。むしろ関係ないことを言ってもらった方があり...

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