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【6】空白、あまりに長かった 本宮映画劇場館主・田村修司

2022/09/10 08:30

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昭和の映画文化が残る館内。私は掃除をしたり、ポスターを買い取ったりしながら劇場を守ってきた

 借金を返し終えると、週末は劇場にこもりきりになった。  休館から10年がたっていた。掃除をしたり、映写機に油を差したり、フィルムの手入れをしたり。劇場で自分の時間を過ごすことが多くなった。  「私と劇場どっちが大事なの」。3人の娘がいた私は、妻にそう詰められることもあったが、黙ってやり過ごした。劇場にいる時間は不思議と心が落ち着いた。  昭和50年代になると、映画産業は完全に下火になり、映画館の...

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