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【ふくしま乗り物語】赤べこトラック 神出鬼没、走る縁起物

2025/03/24 09:55

愛らしい顔がデザインされた赤べこトラック=柳津町【撮影情報】カメラ・ニコンD6、レンズ24―120ミリ、絞り値・f10、シャッター速度・1/1000秒、ISO400
イベント時に物販用で活用されているほか、一般に貸し出されている

 赤べこ伝説発祥の地とされる柳津町で車を走らせていると、真っ赤なトラックに出くわす。「赤べこトラック」と呼ばれるこの車両は交流サイト(SNS)で写真が紹介されるなど”遭遇”した人に癒やしを与えている。

 所有するのは同町に本社があり、県内でスーパーなどを展開する河内屋グループ。キッチンカーとして使用されていた車両を引き取った。トラックの活用方法について社内で検討が重ねられたものの、具体的なアイデアが出ずに廃車の可能性もあったという。

 そんな中、同町で赤べこ伝説発祥の地をアピールするため、11月3日を「赤べこの日」に制定する動きが出てきた。これを機に、トラックの利活用を担当していた販売促進部長の飯塚尚さんが「トラックを塗って赤べこにしたらどうか」と提案。その案はすぐに採用された。昨年11月3日の「赤べこの日」に間に合うように作業が進められ、お披露目された。

 車体は赤がベースで、前面に赤べこの愛らしい顔がデザインされている。屋根には、飯塚さんがコーン標識をやすりがけしたり、塗装したりして作った耳が取り付けられている。

 現在は主にイベント時に物販用に活用され、柳津をPRしている。町内外を走っていたり、柳津観光協会の駐車場に止まっていたりと、牛の歩みとは対照的に忙しく動き回っており、同町を訪れても出合えるかどうかは運次第だ。同社によると「わ」ナンバーのレンタカー登録で、一般に貸し出しもしているという。

 「トラックの改造は大成功」と飯塚さん。「伝説発祥の地をどんどんアピールしていきたい」と幸福を呼ぶ赤べこに願いを込める。利用などの問い合わせは同社(電話0241・42・2215)へ。

          ◇

 赤べこトラック 軽油を燃料にしたディーゼルエンジン(排気量約3リットル)のトラック。定員3人で最大積載量1500キロ、車両総重量4405キロ。長さは約4.8メートル、幅は約1.8メートル、高さは約2.8メートルあり、普通免許で運転できる。

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