• X
  • facebook
  • line

東北電力、J―クレジット活用 メタンガス削減分購入へ

2025/09/25 08:20

 東北電力は24日、温室効果ガス排出削減量を販売、取引する国の制度「J―クレジット」の活用促進に取り組むと発表した。管内の水稲栽培で発生するメタンガスの排出削減分のクレジットを購入することで、農家の新たな収入源確保や地域のカーボンニュートラル推進の両面から、持続可能な農業実現を後押しする。

 東北電が取り組むのは、J―クレジット制度の「水稲栽培における中干し期間の延長」という方法論に基づくもの。水稲栽培では、水中で微生物が有機物を分解する過程で温室効果ガスのメタンガスが発生。そこで出穂前に水を抜く「中干し」の期間を長くすることで、メタンガス生成を抑える。中干しを過去2年の平均から7日間延長することで排出量を3割削減でき、その分をクレジットとして国の認証を受けることができるという。

 東北電は農家向けのカーボンクレジットの流通支援を手がけるフェイガー(東京都)と連携し、クレジットの生成から販売まで一貫して行う体制を整える。既にJA大潟村(秋田県)が賛同しており、来年度からクレジットの創出に取り組む。購入したクレジットは、東北電のイベントや事業所で排出される温室効果ガスを相殺するほか、顧客からの需要に応じて販売する。

 仙台市で記者会見した石山一弘社長(いわき市出身)は「地域の課題解決の一環として農業活性化に貢献する。取り組みの社会的意義を発信し、賛同の輪を広げることで持続可能な農業の実現に寄与したい」と述べた。

この記事をSNSで伝える:

  • X
  • facebook
  • line