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太陽光施設、道路側溝に土砂流出 福島市が再発防止勧告

2025/09/26 07:10

 福島県福島市は25日、市北部の山地にある太陽光発電施設で1月と8月に、斜面の一部が崩落したと発表した。土砂が流れ出て道路の側溝が埋まるなどしたが、人や住宅への被害は確認されていないという。同様の事故が発生する恐れがあることから、市は条例に基づき事業者に対して再発防止を求める「勧告」を行った。木幡浩市長が25日の記者会見で明らかにした。勧告は市再生可能エネルギー発電施設の適切な設置に向けた条例に基づくもので2例目。

 市によると、1月に融雪による流水で斜面が崩落した。事業者が復旧工事を行っていた頃、8月に降雨の影響で高さ約10~15メートル、幅約2メートルの斜面が崩落。約70メートルにわたって土砂が流出した。多い所で50センチほど積もり、冠水も発生。車両の通行などに影響はなかったという。市民からの通報で発覚した。市は崩落の再発や事業区域外に被害が及んだため勧告したほか、濁水流入防止などに向けた指導も行った。事業者に対しては10月6日までに対応方針を市に提出するよう求めた。

 稼働前から中止要請

 市によると、現場が急傾斜地であることなどから、稼働前から施設の設置中止などを要請したが、事業者は応じなかったとしている。木幡市長は「安全確保策を求めてきたが、このような事故が起きたことは残念」と述べた。

 市は「公表基準に該当しない」として事業者名を公表しておらず、事業者名の特定につながる可能性があることから、詳細な場所も明らかにしていない。

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