本州唯一の上布(じょうふ)素材カラムシ生産地の福島県昭和村で25日、今年栽培されたカラムシ原麻の買い入れが行われ、奥会津昭和村振興公社が約72キロを買い上げた。
村からむし生産技術保存協会に所属する農家を中心に、25世帯ほどが栽培した。繊維を取り出し、乾燥させて375グラムずつの束にまとめ、「キラ」と呼ばれる光沢の美しいカラムシの原麻がお披露目された。村の鑑定人が「特上」「上」「並」などに格付けした。
同公社などによると、猛暑で成長への悪影響が心配されたが、数量や品質は例年並みという。原麻は村内で糸にして着物などにするほか、特上の一部は越後上布や小千谷(おぢや)縮(ちぢみ)の原材料として出荷される。