サッカーJ3の福島ユナイテッドFCを運営するAC福島ユナイテッドの鈴木勇人社長は3日、福島市に建設を計画している新スタジアムについて、本年度中に建設場所の選定を目指す考えを明らかにした。市の協力を得て現在、候補地を3カ所程度に絞り、地権者と協議を進めている。
同市で開いたファン感謝祭で説明した。福島ユナイテッドは8月、市内にエネルギー循環型の木造スタジアムを建設する構想を発表したが、場所や時期については「未定」だった。鈴木氏は候補地の場所を明かさなかったが、取材に「公共交通機関の最寄り駅から20分以内という基準を満たす場所を候補に選定を進めている」と述べた。
また、鈴木氏は場所の選定と併せ、資材高騰を踏まえた建設費の縮減案などを検討していると説明。「場所が確定次第、手続きを進めて工事に入りたい。民設民営、公設民営などさまざまな形があるが、できるだけ早期にスタジアムを完成させたい」と語った。新スタジアムは県産材で造る計画で、県内の森林組合などと連携し木材の確保を進めていることも明らかにした。
福島ユナイテッドの構想では、新スタジアムは2階建ての4面スタンドで、屋根の形が特徴的な完全木造。雨水の再利用や雪の冷房への活用などエネルギーを循環させる設計。J1スタジアム特例基準の入場可能者数「5000人以上」の規模を想定している。J1基準にはほかに「中心市街地からおおむね20分以内で、スタジアムから徒歩圏内にある電車の駅、バスの停留所、大型駐車場のいずれかに到達可能であること」などの条件がある。
鈴木氏は感謝祭で、8月に発表した新たなクラブエンブレムが決定した経緯についても説明。「危機を乗り越えて新たな運営体制となり、未来に向けて一歩踏み出すための変更だった」と話した。
