米大リーグのジャイアンツで1964年に日本人初のメジャーリーガーとなった村上雅則さん(80)が2日、デビューから60年を記念して東京都内の外国特派員協会で講演した。20歳で挑戦し、2シーズン在籍した当時を思い出し「メジャーに上がるとは夢にも思わなかった。(残っていれば)あと5、6年はできたと思う」と語った。
村上さんは9月1日にニューヨークでのメッツ戦で初出場した。英語の契約書が読めず、客席のファンの手を借りて試合開始直前に契約したエピソードなどを披露。別の試合では球審の判定に滑り止めのロージンを高く投げ上げて抗議した行為が、人種差別が残る米国で苦しんだ日系米国人からたたえられることになり「非常に苦しい時代を過ごしてきたことを実感した」と振り返った。