同学年の絆が快挙を支えた。競泳男子の33歳、木村敬一(東京ガス)を100メートルバタフライ(視覚障害S11)での2連覇に導いたのが、34歳のオリンピアン、星奈津美さんだ。昨年2月からコーチとして木村をサポート。今年7月に第1子となる長男を出産したばかりだが、子連れでパリへ駆けつけた。盟友の雄姿を見届け「おめでとう。強かったね」と祝福した。
星さんは2012年ロンドン、16年リオデジャネイロと五輪2大会連続で女子200メートルバタフライ銅メダル。木村と同じ1990年生まれで以前から親交があった。昨年1月に食事を共にした際に打診され、引き受けることとなった。
指導経験はなかったが、熱意に心を動かされた。一緒にプールに入り、木村の腕や脚をつかんで動かしながら、理想的なストロークの軌道やキックの打ち方を教えた。
2人でつくりあげた泳ぎは、今大会での二つの金メダルとして結実。「こんな感動をもらえたのは初めて。キム(木村)には最高の瞬間に立ち会わせてもらえた」と目に涙を浮かべ、感謝の思いを口にした。