来年1月の阪神大震災発生30年を前に、防災工学者の室崎益輝神戸大名誉教授(80)が19日、大阪市で開かれた関西プレスクラブの会合で講演。「失敗事例」の伝承不足を課題に挙げ「国内外を問わず被災地の教訓を学ぶ姿勢が重要」と説いた。
室崎氏は、家屋倒壊による犠牲者が多かった阪神大震災後、耐震化の重要性は伝わったが、避難所や仮設住宅などでのコミュニティー再建の課題は残るとし「失敗体験の伝承こそ重要だ」とした。
また感染症の流行や気候変動、独居高齢者の増加などで、事前防災による「最悪想定」が追い付いていないとして、災害発生後の対応強化の必要性についても言及した。