経済産業省が22日発表した2023年度のエネルギー需給実績(速報)によると、発電電力量のうち原子力が占める割合は8・5%となり、東日本大震災後の12年度以降で最も高くなった。関西電力高浜原発1、2号機(福井)が再稼働し、22年度に比べ2・9ポイント上昇した。発電電力量は1・6%減の9854億キロワット時で、10年度以降で最小だった。
原発比率は10年度に25・1%だったが、大震災後に全国の原発が順次停止し14年度の発電はゼロに。東北電力女川原発2号機と、中国電力島根原発2号機の再稼働により、24年度はさらに高まる見通しだ。
政府は現行のエネルギー基本計画で、30年度の原発の電源構成目標を20~22%としており、開きは依然大きい。
23年度の再生可能エネルギーの割合は1・0ポイント増の22・9%。太陽光発電の増加が寄与した。発電時に二酸化炭素(CO2)を出さない原発と再エネを合わせた「脱炭素電源」は31・4%で、11年度以降で初めて30%を上回った。
火力は4・0ポイント減の68・6%。