広島市は22日、平和記念公園の原爆慰霊碑下の石室に納められている34万4306人分、計128冊の原爆死没者名簿を風に当て、湿気を取り除く「風通し」を行った。市は石室内を初めて報道陣に公開。
石室は高さ約77cm、幅約124cm、奥行き約201cmで側面に碑文が記されている地上部分と、高さ123cm、幅230cm、奥行き300cmで大人2人が入れる程度の大きさの地下部分で構成される。
原爆投下時刻の午前8時15分に市職員23人が黙とうし、風通しの作業を開始した。名簿を慰霊碑の前に並べ、一冊ずつページをめくって状態を確認していた。
名簿は和紙でできており、昨年8月5日までに亡くなった被爆者の氏名と年齢を記載。昨年の風通しから5079人が追加され、3冊増えた。128冊とは別に、長崎で被爆したが広島での奉納を希望した13人分の名簿も1冊ある。
毎年梅雨入り前に市職員が名簿の状態を確認し、石室内を清掃している。昨年8月6日以降に亡くなった人の記帳は6月初旬に始まり、今年の平和記念式典で奉納される。