神戸市の在日コリアン3世の40代女性が東京都新宿区のビジネスホテルにチェックインした際、義務のない旅券や在留カード提示などを求められ、断った結果、宿泊拒否され精神的な苦痛を受けたとして、ホテル側に220万円の損害賠償を求め、神戸地裁に22日提訴した。
記者団の取材に応じた女性は、ホテル側から日本人名(通名)を書けば泊まれると言われたと説明。20代後半の頃に決断して本名で生きてきたといい、「すごくショックで泣いた。宿泊拒否される人を増やしたくない」と話した。
訴状によると女性は昨年9月、予約したホテルで在留カードなどの提示を求められ、その義務がないことを説明。健康保険証を見せて住所を示したが、外国人である以上は例外は認めないとして宿泊を拒まれた。
旅館業法と施行規則は、国外在住の外国人宿泊客だけに旅券の提示を義務付けている。女性は特別永住者で在留カードはなく、特別永住者証明書などを示す義務もない。
ホテル側は提訴後の取材に「内容が分からないのでコメントは控える」とした。