【ワシントン共同】トランプ米政権は23日、対シリア制裁の緩和を発表した。長年の内戦で荒廃したシリアの復興に向け、暫定政府を支援する狙い。シリア産石油の取引などを許可し、民間による投資を促す。トランプ大統領が13日に表明した制裁解除方針を受けた措置で、今回は第1弾。暫定政府の動向を確認し、さらに緩和する見通し。
ベセント財務長官は声明で「シリアが繁栄し、安定した未来への道を進むことを願う」と強調した。欧州連合(EU)加盟国も20日、シリアに対する経済制裁を全て解除することを決定。国家再建を後押しする動きが本格化している。
米政権は制裁緩和措置の条件として、暫定政府がテロ組織に「避難場所」を提供せず、少数派に対する安全を確保するよう求めた。ロシアやイラン、北朝鮮を利する取引は許可しないと強調した。
シリアではアサド政権崩壊後、暫定政府の治安部隊と旧政権支持者などによる衝突が続いている。ルビオ米国務長官は20日「暫定政府を支援しなければ全面的な内戦となり、地域が不安定化する」と表明していた。