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「密約」若泉敬氏の遺書を沖縄へ 後悔示す、福井の男性が保管

2025/05/26 16:37

 若泉敬氏

 沖縄返還を目指す佐藤栄作首相(当時)の密使を務め、核兵器持ち込みに関する「密約」に関わった国際政治学者若泉敬氏=福井県越前市出身=の遺書が近く、沖縄県に寄贈されることが26日、越前市関係者への取材で分かった。「歴史に対して負っている私の重い『結果責任』を執り(中略)自裁します」と記し、密約への後悔を示したとみられる。晩年に若泉氏と親交のあった福井県内の男性が保管していた。

 遺書は便箋5枚。「沖縄にあるべきものだ」という保管していた男性の意向で、寄贈が決まった。沖縄県公文書館は今年9月以降、保存状態などを確認し、公開する。

 若泉氏は1972年の沖縄返還前、秘密交渉を担った。94年に出版した著書で、返還に当たり、有事の際に沖縄への核兵器を再び持ち込む密約の存在を明らかにした。

 遺書は著書出版と同じ年、沖縄戦の組織的戦闘が終わったとされる「慰霊の日」の6月23日付。

 越前市文化県都推進課の奥谷博之課長は「多くの人の目に触れることになり、世界情勢を考えるきっかけにしてほしい」と語った。

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