【エルニド共同】フィリピンの市民団体が南シナ海の権益を中国から守るよう訴えるため、フィリピンが実効支配するパグアサ(英語名ティトゥ)島周辺に向けて、パラワン島北部エルニドから27日未明、民間船を出航させた。28日にパグアサ島の近くの船上で「連帯と平和の洋上コンサート」を開く計画だ。
エルニドで26日に記者会見した市民団体のラファエラ・ダビドさんは「西フィリピン海(南シナ海)の侵略者らに対し、私たちが国民の運動を通じて立ち向かっていることを示すのが使命。最前線で中国から被害を受ける漁業者らの声を広めたい」と強調した。漁業者代表は、主張を諦めれば「魚と生活の糧を失ってしまう」と訴えた。
エルニド沖に停泊した船の甲板では26日夜、漁業者らを招き、出発前コンサートが開かれた。フィリピンや日本、韓国、インドネシア、マレーシアの歌手らが熱演した。
船には活動家やボランティア、報道関係者を含む計約150人が乗り込んだ。沿岸警備隊の巡視船2隻が警戒する予定。