俳優や歌手らのマネジメント契約を巡り、芸能事務所に移籍や独立を妨害しないことなどを求める指針を公正取引委員会と内閣官房が共同でまとめたことが29日、関係者への取材で分かった。近く公表される見通し。芸能人は契約で不利な立場に置かれやすく、事務所に対応改善を促す。
芸能界は事務所が芸能人と専属マネジメント契約を結び、育成や活動支援を行うのが一般的。事務所はテレビ局やレコード会社から出演料などを受け取って費用を回収するとともに芸能人に報酬を支払う。
関係者によると、指針では、退所した芸能人に対して他の事務所での活動や活動そのものを制限する規定は、芸能人の不利益が大きいとして、原則として認めず、既に契約で定めている場合は削除すべきだとした。
芸能人と事務所の契約を巡っては、公取委が2019年、旧ジャニーズ事務所がアイドルグループ「SMAP」の元メンバーをテレビに出演させないよう圧力をかけた疑いがあったとして、事務所を注意している。