２４年度出産費用、平均５２万円　上昇続き家計の負担増

　厚生労働省は２３日、全国の医療機関での正常分娩による出産費用が、２０２４年度に平均で約５２万円だったと発表した。前年度から約１万３千円増えた。物価高などを背景に上昇が続き、子どもを産んだ人に公的医療保険から支給される出産育児一時金（原則５０万円）を上回る。家計の負担が増している。

　正常分娩は公的医療保険の適用外で、病院やクリニックなどの経営判断で自由に価格設定できる。地域差が大きく、政府は少子化対策の一環で出産費用の無償化を掲げ、制度設計や実施時期の検討を進めている。

　２４年度の出産費用を都道府県別で見ると、東京の約６４万８千円が最も高く、熊本の約４０万４千円が最も低かった。

　個人の出産費用と一時金との差の分析では、費用が一時金よりも上回るケースが６割を超えた。個室を使用する場合などはさらに費用負担が増え、一時金との差額も大きくなる。