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誤嚥で心肺停止、遺族提訴 国立病院機構に、熊本地裁

2025/11/26 15:27

 熊本市の国立病院機構熊本医療センターで2021年、がんの疑いで入院していた熊本県の70代男性が食事中の誤嚥で心肺停止状態となったのは、看護師が呼吸や口腔内の状態の確認を怠ったためだとして、遺族が26日、機構に損害賠償を求め熊本地裁に提訴した。男性は意識障害となり、がんで翌年亡くなった。

 訴状によると、男性は嚥下障害があり、21年11月の手術4日後に食事が再開された。夕食時にむせたため看護師は食べ物を吸引したが、中断して退室。約5分後に戻ると呼吸が止まっており、気管に挿管したチューブから多量の食べ物のかすが確認された。病院は意識障害を勘案してがんの治療を行わず、22年11月に死亡したとしている。

 原告側は、入院前から何度も嚥下障害があると伝え、注意を促していたと主張している。

 妻は記者会見で「大切な夫の死を無駄にしないで」と真相究明や医療事故の再発防止を訴えた。

 病院側は取材に「訴状が届いていないのでコメントは控える」と答えた。

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