• X
  • facebook
  • line

日テレ、ドラマ制作の指標公表「原作を尊重」 『セクシー田中さん』調査結果を踏まえ

07/22 19:12

  • エンタメ総合
日本テレビ(C)ORICON NewS inc.

 日本テレビは22日、ドラマ『セクシー田中さん』の原作者・芦原妃名子さんが急逝した一連の問題について、社内特別調査チームによる調査報告書をふまえた『日本テレビドラマ制作における指針』を公表し、「原作を尊重」することなどを指針に盛り込んだ。

【Xのポスト】「攻撃したかったわけじゃなくて」『セクシー田中さん』原作者の最後の投稿

 同局は、5月31日に公表された「セクシー田中さん」調査報告書をふまえ、「ドラマ制作プロセス改善推進チーム」を組成した。

 指針では「日本テレビは、ドラマ制作にあたり、原作者・脚本家をはじめとするクリエイター、キャスト、スタッフ等、ドラマに携わるすべての関係者を尊重し、安全・安心な制作プロセスと体制の構築に努めてまいります」として「ドラマ制作」「SNS」「人材育成」などの柱からなる体制構築策を公表。

 ドラマ制作の適正なプロセスについては「特に、漫画や小説などを原作として映像化する際には、原作を尊重し、その世界観をより深く理解するよう努めます。その上で、原作者と対面またはオンラインで直接会話するなどして、丁寧に時間をかけてコミュニケーションを取るよう努め、ドラマ制作にあたっての方向性や具体的な表現手法に関する相互理解を深めます。そのために、原則として、放送の 1 年前には原作側・ドラマ制作側で、ドラマ化の企画について基本的な合意が形成できるように努めます」などとした。

 加えて、関係者間でドラマ化にあたっての「相談書」の提案、「原作許諾契約書」、「脚本契約書の早期締結」を行うなどして適正な制作プロセスの構築を目指すとした。

 誹謗中傷対策については「SNS の適切な運用と対策を行います」として「SNS 等、ソーシャルメディアの利用に関する注意点を定めた『日本テレビソーシャルメディアポリシー』の要点を社外含むドラマ関係者に周知徹底し、社内外から相談可能な窓口を設置します。また、トラブルに即時に対応するために、コンプライアンス推進室を中心にした『SNS 危機対応チーム』を組成します」と、新たな組織によって体制を強化していく姿勢を示した。 

 昨年10月クールに放送されたドラマ『セクシー田中さん』は、ドラマ終盤の脚本を芦原さん自身が執筆した。これに対する反響などを受け、今年1月26日、芦原さんは自身のXに「今回のドラマ化で、私が9話・10話の脚本を書かざるを得ないと判断するに至った」経緯を長文で投稿。文章は小学館と事実確認したとするもので、自身の原作への思いとともに、ドラマ制作前に「必ず漫画に忠実に」などの条件を確認するも、「当初の条件は守られず」と説明し、「最後となりましたが、素敵なドラマ作品にして頂いた、素晴らしいキャストの皆さんや、ドラマの制作スタッフの皆様と、『セクシー田中さん』の漫画とドラマを愛してくださった読者と視聴者の皆様に深く感謝いたします」と結んでいた。

 28日には同投稿を削除し、「攻撃したかったわけじゃなくて。ごめんなさい」と記した。同内容を掲載していたブログにもアクセスできなくなった。29日に死去が報じられた。

この記事をSNSで伝える:

  • X
  • facebook
  • line