• X
  • facebook
  • line

声優アイドル22/7、ミュージカル形式のライブで魅力全開 アニメ『ATRI』EDテーマの新曲も披露

07/26 08:30

  • 音楽
22/7 Summer Live 2024『Magic School Days -Act1-』の模様(C)22/7 PROJECT

 秋元康総合プロデュースするデジタル声優アイドルプロジェクト・22/7(ナナブンノニジュウニ、通称「ナナニジ」)が、ヒューリックホール東京で22日~24日の3日間にわたってSummer Live 2024『Magic School Days -Act1- ~月と地球のフィルハーモニー~』を開催した

【ライブ写真9点】『Magic School Days -Act1-』の模様

 今回は24日に行われた最終公演の様子をレポートする。今年の夏ライブのコンセプトは、“魔法学園”。魔法学校に入学したメンバーたちが奮闘する青春ドラマを通して、歌や芝居、ラップバトルなどを披露していくミュージカル形式のライブとなった。

 ファンタジックな音楽が流れる中、客席後方や舞台袖から次々とメンバーが現れる。魔法学校からの案内状に記されていた「22/7に集まれ」という指示に従って、魔法学校の入口を探している中、突如現れた大きな円。その中に立った10人は声をそろえて「22/7 Magic School Days!」と叫ぶ。1曲目「謎の力」で幕が開けると、メンバーは笑顔いっぱいにこぶしをつきあげながら会場丸ごと物語の世界へといざなう。

 入学式の場面では、一人ひとりの自己紹介とともに、どこからともなく聞こえてくる威厳ある校長の声によって、MOON組とEARTH組の組分けが行われた。だが、エリートの天城サリーを筆頭に高い魔法力を持つメンバーがそろったEARTH組が、努力家の河瀬たちMOON組を嘲笑し、両組の間に深い溝が生まれてしまう。学園生活は騒々しく始まる中、組カラーのローブを翻し、魔法の杖を振りながら新しい振り付けで歌われる「君とどれくらい会わずにいられるか?「、そして涼花萌が「伝説の5文字を教えてしんぜよう!」と切り出した「タチツテトパワー」。楽曲を楽しみながらも、ときににらみ合うメンバーたちのライバル心が見え隠れした。

 学園生活も数ヶ月が過ぎたころ、試験の結果によって2組のうちどちらかが退学させられると言い渡される。敵の戦力を折らんとばかりに行われた暴露大会では、せっかく演じている「役」の仮面を剥がされていくメンバーたちの日常風景が笑いを誘った。

 いつしか教室は夕日色に染まり「とんぼの気持ち」から「僕は存在していなかった」へと楽曲が続く。親の期待に押しつぶされそうな月城、偉大な母親にどうしようもない劣等感を抱く河瀬詩。一人ひとりの秘めた思いがこぼれ落ちる。

 ついに迎えた、期末試験当日。入学式のときはEARTH組に気圧されていたMOON組もすっかり自信を持ち、椎名の「その気になれば空だって飛べるかもしれない」とのセリフを合図に、思い思いに魔法を使うように「空を飛んでみよう」が披露された。

 そして、DAY1のダンス対決、DAY2の腕相撲対決を経て、この日行われた日替わり試験は、昨年夏のツアーで好評を博したラップバトル。各組の代表を選出する流れを「ちょっとまったーー!」と遮った“ラップの神様”こと相川奈央が、昨年参加していない河瀬を指名し、対抗馬には天城が選ばれた。

 河瀬が、北海道の郷土愛とともに「回り道してもここにカムバック」と堂々復活宣言を果たし、頭の上に手のひらをかざしたウサギ耳で「ぴょん」と煽れば、天城もまた才気あふれるリリックで、夢に向かって一途に進んできた7年間の道のりを愛おしむとともに「連れて行く頂点!」と未来を約束し力強いキスを投げる。勝敗を決める客席のペンライトの色はほぼ半々となってしまうも、河瀬贔屓なラップの神様の私情か、MOON組の勝利となった。

 そんな魂のぶつかり合いがさらにメンバーたちの闘志に火をつける。地下へ続く階段を降りると、バトル曲にふさわしい「地下鉄抵抗主義」のフォーメーションがクラス対抗のかたちにアップデートされ、我先にとゴールを目指してダンジョンを進んでいく死闘を表現した。一足早かったのは、EARTH組だ。入学当初は「楽しい学園生活が送れればいい」とお気楽だった望月りのが「今じゃないとダメなの」「だって今は魔法に恋してるから!」と声をあげて始まった「Just here and now」。EARTH組でもある相川奈央、そして麻丘真央のねだるセリフには圧巻だった。

 個々の力では到底及ばず劣勢に陥ったMOON組だが、それでも河瀬は「みんなのために使うものなんだから」と魔法を、そして仲間を信じて、一人ひとり立ち上がらせていく。その瞳はいっそうの輝きをたたえ「未来は私たちが決める!」と力強く叫ぶと「神様だって決められない」がスタート。「誰かを当てにするのではなく自分の力を信じることだ」と歌い崩れ落ちた天城のもとへMOON組の仲間たちが駆け寄る。「ずっとそばにいたし、ずっとそばにいる」と頼もしく告げたのは、西條だ。「続き、やろ」という河瀬の誘いに天城は「あんたたちのこと徹底的につぶしてやる!」と奮い立つ。

 最終審査では、もはや勝敗など二の次に、「覚醒」の楽曲にのせて互いの力をぶつけ合う。西條と望月が背中を合わせたときの陰陽が噛み合うかの爆発力に始まり、一人ひとりの個性を伴ったセリフがバトンのように一つの思いをつないでいく。最後の「それでもやらなきゃ負けだ」という河瀬の一声がすべてを決めた。だが、いつしか組を超える絆で結ばれていた10人に、校長は告げる「勝者は全員だ!」。10人のみならず見守るすべての人たちを巻き込んで幸せにした彼女たちの力は、校長の望む「魔法」そのものだった。

「月と地球は離れられないんだよ、知ってた?」。河瀬から差し出された手を取る天城。両組が手を取り合って踊る「君はMoon」が、大団円の光景を作り出す。さらに校長が「最後に、諸君を見守ってくれている人たちに特別な魔法をかけよう」と言うと、一人ひとりにペンライトが渡される。魔法の呪文は「みんなで一緒に……Magic School Days!」。「歌っていれば誰もが笑顔で争うこともない」と、最新の12thシングルに収録された「世界中で歌おうぜ」を披露し、一列にスクラムを組んで揺れながらピースフルな光景を見せた。

 アンコールでは、まるで魔法で変身したように最新衣装で登場し、TVアニメ『ATRI -My Dear Moments-』のEDテーマソングに採用されている最新曲「YESとNOの間に」を披露し、輝き溢れる今の22/7のパワーを届ける。涼花は「この曲をパフォーマンスするたびに、力が湧いてきます。みんなも同じだとうれしいです」と伝えた。また、現在配信中のこの楽曲を10月30日に13thシングルとしてリリースすることを発表した。

 本作の脚本家から「アイドルが魔法なんだよ」と言われていたというメンバーたち。それぞれの個性を色濃く煮つめたような役を演じながら、その言葉の意味するものを求めて全身全霊でぶつかった。役の心情とともに表現された楽曲は新たな表情を持ち、詩情あふれるパフォーマンスをグループのカラーとしてきたナナニジの真髄ともいえる公演となった。

 しかし、立派な魔法使いを目指す22/7の物語は、8月の「ACT2」へ、そして涼花萌の卒業ライブへと続いていく。

■『Magic School Days ~月と地球のフィルハーモニー~』セットリスト
01.謎の力
02.君とどれくらい会わずにいられるか?
03.タチツテトパワー
04.とんぼの気持ち
05.僕は存在していなかった
06.何もしてあげられない
07.空を飛んでみよう
08.地下鉄抵抗主義
09.Just here and now
10.神様だって決められない
11.覚醒
12.君は Moon
13.世界中で歌おうぜ
【アンコール】
EN1.YESとNO の間に

この記事をSNSで伝える:

  • X
  • facebook
  • line