6日に公式サイトで顔面神経麻痺のラムゼイ・ハント症候群と診断されたことを公表したバイオリニストの葉加瀬太郎(56)が7日、神奈川・相模女子大学グリーンホール(相模原市文化会館)で『葉加瀬太郎 コンサートツアー2024 TARO HAKASE & THE LADS VIBRANT』初日公演を開催した。
【ライブ写真】柄ものシャツも良く似合う…演奏に集中する葉加瀬太郎
初日公演の前日に、8月に顔面神経麻痺のラムゼイ・ハント症候群を発症し、顔面の左側が全く動かなくなったことを発表。家族にとっては大切な大黒柱の体調は気がかりだが、演奏には支障はないと発表があり、葉加瀬も「左半分以外は元気いっぱい」とファンを安心させ、公演でも不安を吹き飛ばす盛り上がりを見せた。
インターバルを挟んで2部構成で行われた今回の公演は、第1部は8月にリリースしたオリジナルアルバム『VIBRANT』(ヴァイブラント)のナンバーをたっぷりと披露。
MCでは「ニュースにも出ておりましたが…」と、前日に発表した病気について自ら観客に説明を始めた。「ちょうど1ヶ月前から左の顔半分が麻痺しちゃって、でも少しずつ良くなってきている」とファンを安心させた。続けて「ジャスティンビーバーも少し前に掛かった病気らしくてね。ニュースが出てからいろんな人からメールとか連絡をもらいました。ピアノの清塚(信也)からもLINEが入っていたんです。見たら『どおりで最近ジャスティンビーバーに似てきたと思ってました』だって」ここでホッとした観客から大きな笑いが起きた。葉加瀬は「今度、清塚が(テレビに)出ているのを見たらみなさん、『バカヤロー!』って言っといてください(笑)」とジョークを飛ばすなど“舌好調”だった。
第2部では、メンバーが爽やかな色合いの衣装でステージに登場し、1部とはガラリと雰囲気を変え、葉加瀬の定番曲や久しぶりに演奏する曲などを披露。NHK連続テレビ小説『てっぱん』オープニングテーマ「ひまわり」を披露した。瑞々しい風景を思い浮かべる葉加瀬の歌うバイオリンに観客もしばしの間、酔いしれる。演奏を終えると葉加瀬が「もう安心していただいて結構ですよ」と笑わせて「1部は、ハラハラされた方もいらっしゃると思います。でも、楽しかったでしょ」と問いかけると観客は大きな拍手で答えた。
続けて「普段は歌うようなメロディーがたくさんありますが、楽器としても他にもいろんなことができるということをみなさんに伝えられたらいいなと思いました。そして僕たちと同じような年齢のみなさんだったら分かると思いますが、1960年代から70年代にかけて大きなパワーを持っていたクロスオーバーという音楽に僕たちは憧れを持っていて、21世紀になっても、そんな音楽の力を決して忘れずに信じ続けていきたいという思いを持ってこれからもバンドを続けていこうと思います。ぜひ応援してください」と葉加瀬の熱のこもった言葉に温かい拍手が鳴った。
本編が終了し、アンコールの大きな拍手の中、再びメンバーがステージに登場。葉加瀬は、「年末まで続くツアーの初日ですが、みなさんのおかげで大変楽しくできました」と言ったところで言葉を詰まらせた。温かい拍手の中で少し間をおいて「心から感謝します」と深々と頭を下げた。「我々はこの歳で結成したバンドですから、解散する意味もありません。なので誰かが欠けるまでは続けたいと思います」と宣言すると、メンバーからも笑みがこぼれ、ニューアルバムから「Blue Eyes」を演奏し、大団円を迎えた。
秋ツアーは、12月28日の東京ガーデンシアター公演まで全40公演を開催する。
葉加瀬太郎、ラムゼイ・ハント症候群公表も“舌好調”なツアー初日 清塚信也からのLINEにツッコミ
09/08 14:52
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