俳優の福山翔大が14日、大阪市内で開かれた映画『若き見知らぬ者たち』の上映前舞台あいさつに登場し、内山拓也監督の撮影スタイルを振り返った。
【写真】クラシックなダブルのジャケットで登場した磯村勇斗
『若き見知らぬ者たち』が商業長編デビュー作となる内山監督は、同映画でテストなしで本番という撮影スタイルで臨んだ。その意図について、「前作『佐々木、イン、マイマイン』は、8ヶ月ぐらい本読みとリハーサルを重ねて完成させた」と経験を語り、「肉体を酷使して向き合っていく役者さんが暗闇に向き合っていく感情を消耗させたくなかった」と明かした。その一方で、「彼らを信じて託していくために、何が起きてもスタッフが対応しなきゃいけないという意識を持って挑んだ」と吐露していた。
福山は「いきなり本番なのかという戸惑いはあった」と告白しつつも、「一瞬の刹那をお互いがくみ取りあうような、段取りやリハーサルなどの段階を踏むよりも相手を感じたい気持ちや、一瞬一瞬に集中する緊張感を感じる現場だった」と振り返った。
主演の磯村勇斗は「役者がどんな動きをしても大丈夫なように事前準備を細かいところまで丁寧にしてくださっていたので、気持ちよく本番を迎えられた」とし、「いい形で映画に残していけたと思う」と語っていた。
今作は、総合格闘技のタイトルマッチに挑む弟に叶わなかった人生を託し、母の介護をしながら亡き父の借金返済に追われる自らの運命を引き受け、恋人とのささやかな幸せを唯一の望みにして生きる青年。失われた人生に絶望することも、家族から逃れることもできない1人の青年が、背負ったものの重さと虚しさに飲み込まれながらも、自分の中にある最後の砦と向き合う生き様を描く。
福山翔大、テストなし本番の撮影スタイルに「一瞬一瞬に集中する緊張感」
10/17 21:18
- 映画
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