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母親=女である必要はない? 人の目ばかり気にしていたシングルマザーが垢抜けた7年間の記録「諦めない姿を息子に見せる」

2025/10/06 08:00

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出産直後、外見に構う余裕のなかった2019年のいとみきさん(@itomii_lifeより)

 28歳でシングルマザーとなった、いとみきさん。出産直後は「母親なんだから息子に時間もお金も使うべき。女である必要はない」と考えていたという。しかし、そこから「息子のために変わりたい」と垢抜けることを決意。28歳~35歳までの垢抜けと髪型遍歴をまとめた投稿は209万表示され、「若返ってんのすごすぎだろ」「突然爆美女きてびびった」「逆再生かと思った」などの多くのコメントが寄せられた。垢抜けを決意したきっかけや見た目が変化した後の心境の変化について、投稿者・いとみきさんに話を聞いた。

【写真】「28歳のときより若返ってる!」別人級の垢抜けに成功した、いとみきさん、現在の姿は…?

■“芋っぽさ”を自覚した28歳「服を選ぶことすら自分で決めず、人の目を気にしていた」

――投稿の反響についていかがですか?

「とっても嬉しいです! ずっと自分に自信がなかったので、こんなふうに言ってもらえるようになるなんて28歳の私からしたら信じられない気持ちです」

――間近で美しくなっていく姿を見ているお子さんはどんな反応でしたか? 

「正直、元の私がダサいという認識もなかったと思うので、変わったことに対しての反応は特にないのですが、現在私がこういう活動をしていたり、周りの人から『綺麗なお母さん、自慢のお母さんだね』と声をかけられることがあると、とっても嬉しそうにしています。綺麗でいようとしていることは喜んでくれているのかなと思います。あとは、今回バズった投稿を見せながら、『どのママがいい?』と聞いたら、『2021年12月と2025年夏(今)がいい』と言っていました(笑)」

――2018年、28歳の写真に添えられていた「芋女の自覚が芽生えた」という言葉が印象的でしたが、どのような場面でそう感じたのでしょうか?

「結婚したいと思っていたのにできなかったことをきっかけに、『自分の思う幸せってなんだろう、どうなったら自分は幸せなんだろう』と真剣に考えるようになりました。理想の人生を思い描いてみようと想像したら、その理想の人生の中の自分はオシャレや美容を思いっきり楽しんでいて、いつも自信に満ち溢れていたんです」

――“芋っぽい”とは、どう解釈されていますか?

「例えば、当時の私はいつもどこか自信がなくて。服を選ぶことすら、自分で決められずに人の目を気にしていました。オシャレして出かけたつもりでも、自信がなくて堂々と街中を歩けませんでした。そんな自分と、理想の自分を比べてみたら、ものすごく芋っぽく感じました。洗練されていないなと。自信のなさや何も自分で決められない主体性のなさ、本当に良いと思ったものや似合うと思ったものではなく、できるだけ安いものから妥協して物を買うという思考、そういうところが理想の自分の生き方とは全然違うなと思いました」

――動画を拝見していると2022年から印象がガラッと変化した印象があります。何かきっかけがあったのでしょうか?

「髪形をベリーショートにしたあたりですかね。いろいろとファッションや美容などを勉強していく中で、外見を決めるのは自分の思考なんだという思いにいたり、自己分析をよくするようになりました。このときは、今までしてきた服装や髪型などが、自分軸ではなく他人軸で決めていたと気づいた時期でした。ちょうどその時期に、ライブ配信をやっていたので、男性から性的な目線を向けられることが嫌になって、一度人の目を気にせずに『自分の好きな髪型や格好をしてみよう!』と思い、髪の毛をバッサリ切りました」

――髪の毛をバッサリ切ったことで心境の変化はありましたか?

「ベリーショートもそれはそれでよかったのですが、やってみると飽きてしまい、いまいちしっくりきませんでした。男性から性的な目で見られることがあったとしても、それはこちらではどうすることもできないですし、それが他人の目を気にしていることに繋がるとも感じました。いちいち気にするのではなくて、鏡で自分を見たときに『あ、素敵』と自分で思えることが何より大切だと気がつきました」

■「自分の人生を諦めない姿を息子に見せる」自身を磨いたことで周囲の扱いも変化

――垢抜けたことでご自身の価値観やマインドにどんな変化がありましたか。

「まず垢抜けたいと思ったときに、先に変えたのがマインドでした。育った環境のせいもあると思うのですが、ずっと自分を着飾ることや美しくなるためにお金を使うことに罪悪感があったんです。当時はデザインよりも実用性重視、安いものを選ぶべきという思考でした。そんな思考で母親になってしまったので、無意識のうちに『母親なんだから息子に時間もお金も使うべき。女である必要はない』と思っていました」

――そこからどのように思考が変化したのでしょうか?

「私の幸せは、息子がのびのび育つこともそうですが、そのためには私自身も輝く必要があると感じました。息子が自分の好きなことを全力でできる人になるためには母親である私が全力でやる姿を見せ、笑顔でいることが息子の心にとって一番大事と考えるようになりました。子どもは親がしていることを正しいと判断すると思ったので、私自身が自分を輝かせることに一生懸命になる、自分の人生を諦めない姿を息子に見せよう、絶対に2人で幸せな人生を送ると決めました。今までの固定概念はそこで変わったと思います」

――素敵な考え方ですね。

「ある本で、『人は自分が自分を扱うように他人から扱われる』という言葉を目にしたことがあるのですが、本当にその通りで、自分を大切にしているかどうかは外見に表れていて、自然にそれが周囲に伝わってしまう。だから、人から大切にされたかったら、まずは自分が自分を大切に丁寧に磨いであげることが必要だと思い、実践してから、本当に周囲の扱いが変わったと思います。そのとき、綺麗でいるためにお金を使うことはとても大きなリターンがある投資だったのだと思いました」

――ご自身の体験から、垢抜けの一番の近道はなんだと考えますか。

「どんな人生を生きたいか真剣に考えて、なりたい理想像を明確にすること。自分の考え方の癖、楽しいこと、やりたくないこと、内面や外見の素敵な部分、体や顔の特徴など、自分自身のことをよく知ることだと思います」

■「どんなに周りにバカにされても、自信満々で輝いている。そんな自分になりたい」

――垢抜け投稿の一方で、未婚の母になったことを赤裸々に発信しています。これまでに大変なこともあったと思いますが、「母」としても「女性」としても垢抜けるために、どのような考え方が必要だと感じましたか?

「母親が自分を大切にすること、自分の好きなものや世界観を持つことが、子どもが自分自身を大切にすることに繋がると思います」

――シングルマザーとして生きていく上で、ご苦労もたくさんあったかと想像します。苦しいときや心が折れそうになったときに、それでも垢抜けや美しくなることを諦めなかったのはなぜでしょうか?

「どうしても、ダサくて自信がないまま残りの人生を生きていきたくなかったからです。苦しくて辛いとき、大変なこともあったのですが、それでもそこで諦めてしまったら、私は今のままなのかと思うと、それがどうしても嫌でした。理想の人物像を想像するとき、いつも大好きな映画『ヘアスプレー』の主人公の姿が浮かぶんです。どんなに周りにバカにされても、自信満々で輝いている。そんな自分になりたいですし、そう生きることが一番幸せだと考えていました」

――今後どんな発信をしていきたいと考えますか。

「これからももっと好きな自分になるための自分磨きを続けていきたいです。6年前はまさか自分がこんな発信をしているなんて想像もしていなかったのですが、こんなに反響があったことがとっても嬉しいです。私自身も6年前に自分のような人がいたら、希望が持てたのではないかと思うので、もっと活動を頑張って、私と同じような状況で悩みを抱えている方が少しでも元気や、勇気が出るような存在になれたらいいなと思っています」

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