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電通グループ、ホロラボ社と共同で、「地理空間連動NFT」による実証実験を開始

07/25 10:15

  • 株式会社電通グループ
― 特定の空間に配置した3D映像と楽曲が体験されるたびにクリエイターへ
報酬が自動分配されるスマートコントラクト経済圏の実現可能性を検証 ―

株式会社電通グループ(本社:東京都港区、代表執行役 社長 グローバルCEO:五十嵐 博、以下「当社」)のR&D組織「電通イノベーションイニシアティブ※1」(以下「DII」)は、株式会社ホロラボ(本社:東京都品川区、CEO:中村 薫、以下「ホロラボ」)ならびに当社の共同研究先各社※2と共同で、NFT技術方式「地理空間連動NFT※3」を用いた実証実験を行います。
本実証実験では、2023年にDIIが技術開発した「地理空間連動NFT」を用いて、地理空間と紐づいた3D映像および楽曲コンテンツを体験できるARアプリ「Spatial Curator」と、当該コンテンツを制作したクリエイターに対する報酬分配の自動化システムを組み合わせることで、スマートコントラクト※4経済圏の実現可能性を検証します。

<空間体験を作成・追体験できるARアプリケーション「Spatial Curator」のサンプル画面>
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202407254137-O2-uZAQyM4v

具体的には、特定の場所(例:海岸のベンチ)に、3D Gaussian Splatting技術※5を用いてデジタル化された3Dコンテンツ(例:海をイメージして制作した3D映像と同映像の再生時に同期再生される楽曲)を配置し、第三者(例:海岸を散策中の生活者)がARアプリを通じてそのコンテンツを体験するたびに、製作したクリエイターに対して自動的かつリアルタイムに報酬が分配されるというものです。
 
DIIは2018年より、小中学生を対象に毎年開催される落合陽一サマースクール※6の主催者として、協力企業とともに最先端の情報技術環境について学ぶ機会を継続的に若年世代に提供してきました。また、これらの活動を通じて、先進科学技術に先入観なく取り組む生徒たちの姿勢を感じ取り、新たな経済圏の到来を予見するとともに、テクノロジーが導く将来の市場性についての検証も進めてきました。
昨年は、同スクールにて、DIIが朝日放送テレビ株式会社らと共同開発したトークン認証ペアリング技術「ghost Link」を当時最先端の生成AI技術「ChatGPT4」や「Runway」と組み合わせることで、テレビ局が制作したドラマコンテンツの二次創作に取り組むというカリキュラムを提供し、若年世代へのAI技術浸透が導く新たなUser Generated Contents(UGC)に関する知見獲得に繋がりました。UGCとは、視聴者や一般ユーザーによる創作コンテンツのことで、自己主権型のコンテンツ管理を基本とするWeb3.0技術と結びつくことで、コンテンツ市場の民主化と規模の拡大が期待されています。

今回の実証実験においても、落合陽一サマースクールの生徒の参加により、生成AI技術を用いて生徒が制作したコンテンツ(3D映像データと楽曲を組み合わせて構成された空間体験コンテンツ)を「地理空間連動NFT」によって特定の地理空間に配置します。そして、その空間を訪れた第三者がARアプリ「Spatial Curator」を用いて当該コンテンツを体験すると、スマートコントラクト技術によってコンテンツを制作・配置した生徒に対して報酬(限定動画を視聴できるNFT等)が自動的に配布される、という一連のプロセスの実行と検証を予定しています。これにより、実空間と連動した追体験トークンに対する若年世代の受容性に加えて、AR技術が導く新たなUGCコンテンツ追体験市場の可能性についても検証する予定です。

またDIIは、Table Unstable DAO合同会社との共同研究※7として、同社が発行するサマースクールの卒業証明NFT「メンバーシップNFT」を用いて、同窓生コミュニティ運営の可能性などについても検証を進める予定です。当社と共同研究各社は、当検証結果を基に、実空間と連動した楽曲や映像の追体験を新たなUGCと捉え、ブロックチェーン※8上での展開時の手続きの標準化に取り組み、加盟する一般社団法人JCBIにて将来のUGCユースケースとして提案することや、一般社団法人ブロックチェーン推進協会のID・トレーサビリティ部会などで、検証結果を公開予定です※9。
  
※1:DIIは、電通グループ全体のR&Dを推進する当社内組織です。また、株式会社電通、株式会社電通総研、株式会社セプテーニ・インキュベートの3社との共同で、Web3領域における新しいビジネスの研究および実践を行うグループ横断組織「web3 club™(ウェブスリークラブ)」を組成しています。「web3 club™」発足の詳細は以下リリースをご覧ください。
URL:https://www.group.dentsu.com/jp/news/release/000804.html 

※2:朝日放送テレビ株式会社、アステリア株式会社、Infinite Objects、株式会社NSM、EMIELD株式会社、株式会社ODKソリューションズ、シビラ株式会社、ソニー株式会社、TOPPANホールディングス株式会社、パナソニックホールディングス株式会社、株式会社ファンドレックス、株式会社フォルテッシモ(五十音順)。

※3:地理空間連動NFTについての詳細は以下のニュースリリースをご覧ください。
・個人の学びや活動実績をNFTでデジタル化し、クレデンシャル管理実証実験
URL:https://www.group.dentsu.com/jp/news/release/000680.html 
・ドラマコンテンツの二次創作を可能とするNFT利活用スキーム「ghost Link」実証実験
URL:https://www.group.dentsu.com/jp/news/release/000938.html 
・Web3.0ウォレットにフォトリアルアバターをUIとして適用する実証実験
URL:https://www.group.dentsu.com/jp/news/release/001078.html  

※4:契約条件が満たされたときに自動的に実行されるコンピュータ・プロトコルの実装手法であり、第三者を介さずに信用が担保されたトランザクションを処理できるため契約のスムーズな検証と執行に適しています。また、コア機能がスマートコントラクトで実装されたウォレットを総称してWeb3ウォレットと呼び、ブロックチェーンの外でアカウントを管理する形式(EOA)とは異なり、複数の鍵による権限管理、鍵の紛失などに対応できるソーシャルリカバリー、暗号資産未保有ユーザーへのサポートを可能にするメタトランザクション(トランザクションやその手数料支払いの代理実行)など、スマートコントラクトだからこそ実現可能な機能を多数有しています。

※5:複数のアングルから撮影した画像データから3D空間を学習し、リアルタイムでレンダリングして3Dモデルを生成する技術を指します。

※6:Table Unstableは、落合陽一氏が主宰する公開討論やプレゼンテーションなどで構成される会議体です。その派生プロジェクトとして生まれた「落合陽一サマースクール」は、小中学生向けの課外学習プログラムです(開催予定期間:2024年7月25日(木)~7月27日(土))。当社はTable Unstable DAO合同会社、シビラ株式会社、EMIELD株式会社、むすびめコミュニケーションクリエイツ株式会社とともに実行委員会のメンバーとして同スクールを毎年主催しています。https://tableunstable.org/

※7:2024年4月22日に公表したメンバーシップNFTについての詳細は以下のニュースリリースよりご覧ください。
・国内第一号DAO法人「Table Unstable DAO合同会社」との共同研究を開始
URL:https://www.group.dentsu.com/jp/news/release/001187.html  

※8:ブロックチェーン技術とは、世界中に点在するノード(通信ネットワーク上に存在する端末や交換機)に同一の記録を同期させる分散型ネットワーク技術のことです。プログラムや情報の破壊、改ざんが困難なネットワークを構築し、データや権利情報を複数の事業体で共有し、共同で管理することに適しています。

※9:当実証実験では、コンテンツを配置する生徒の秘密鍵情報に基づくアドレスにNFTを含むトークンが帰属することを都度検証・承認するトークン認証プロセスを必須とし、それによりトランザクション実行時の厳格な権限管理と管理間接コストの最小化を実現します。同プロセスにはシビラ社のトークン認証技術(特許第7412725号)およびメタトランザクション技術(特許第6915934号)を採用します。

以 上

【本R&D活動に関する問い合わせ先】
株式会社電通グループ 電通イノベーションイニシアティブ 鈴木  
URL: https://innovation.dentsu.com/ 
Email: innovation-initiative@dentsu.co.jp

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