2025年9月11日
株式会社Azoop
株式会社Azoop(本社:東京都港区、代表取締役社長: 朴 貴頌、以下「Azoop」)は、トラックドライバー約13,000名のデータを基にトラックによる加害事故の傾向を分析し、9月11日に発表しました。結果、社歴5年未満のトラックドライバーの事故リスクが5年目以上に比べ約3倍高いことが分かりました。運送事業者起因の交通事故を減らしていくためには、運送会社による社歴の浅いドライバーへの安全運転教育や意識啓発が重要ということを示唆しています。
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■調査結果のトピックス
1.社歴が浅い(社歴5年未満)ドライバーは、年齢に関わらず事故リスクが高い
2.社歴が長くなるにつれて事故リスクは横ばいまたは減少傾向
3.60代以上になると社歴と事故リスクは大きく変動しない
4.1人あたりの事故発生件数でみると20代が最も多い
■調査の背景
近年、トラックによる事故が増加しています。2024年度のトラックによる死亡事故件数は200件で、2022年度以降3年連続で増加しています。(出典:全日本トラック協会「令和6年の交通事故統計分析結果」)
特に、秋の交通安全運動が全国で展開されるこれからの時期は、日の入り時刻が急激に早まり夕暮れ時から夜間にかけて事故が多発するといわれています。これは、運送業界をはじめ、社会全体の課題と言っても過言ではありません。ドライバーの安全運転意識の向上と具体的な事故防止策の確立が常に求められる中、株式会社Azoopは事故の減少に繋がる具体的な示唆を提供したいと考えています。
■調査の詳細
本調査は、運送会社およびドライバーの安全運転の意識向上と事故削減に向けた具体的な施策立案に役立てることを目的として実施しました。Azoopが提供する運送会社に特化したDXサービス『トラッカーズマネージャー』(※1)に蓄積されたトラックドライバーの運転データおよび事故情報を分析したところ、トラックドライバーの事故発生率は、社歴に関係することがわかりました。
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※1 『トラッカーズマネージャー』とは
株式会社Azoopが提供する、運送会社に特化した経営分析・BIプラットフォーム(SaaS)。
各種台帳情報(車両・ドライバー・運行情報)や、勤務計画・配車管理・日報などの運送業に必要なあらゆる業務をデジタル化し、クラウドで一元管理。「トラッカーズマネージャー」に蓄積されたデータをもとに、トラック1台あたりの収益を1秒で集計・可視化し、効率重視の経営をサポート。
料金は月々1万円台からと低価格で、1社ごとに専属のカスタマーサクセス担当が伴走し、導入から運用までをしっかりとフォローします。
「トラッカーズマネージャー」サービスサイト
Topic① 社歴が浅いドライバー(社歴5年未満)は、年齢に関わらず事故リスクが高い
50代までは年齢に関わらず、社歴が浅いと事故が発生しやすいと言えます。
推測するに、事故を引き起こすかどうかは企業ごとの配送業務への習熟度、すなわち、運転する車種や車格、配送ルートや時間帯、積み下ろしの場所やルールなどへの慣れ・不慣れによるところが大きいと考えられます。
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Topic② 社歴が長くなるにつれて事故リスクは横ばいまたは減少傾向
全体として、ドライバーの社歴が長くなるにつれて、ほとんどの年齢層で一人あたりの事故発生率が減少または横ばいになる傾向が見られました。これは、経験の蓄積が安全運転に寄与していることを示唆しています。
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Topic③ 60代以上になると社歴と事故リスクは大きく変動しない
60代以上の年齢層では、社歴の長短による一人あたりの事故発生件数の大きな変動は見られませんでした。入社5年目までの事故割合は相対的に高いものの、他の年代と比べると顕著な差は出ていません。これは、長年のドライバー経験により培われた運転技術や危機予測能力、安全意識などが事故発生の抑止に繋がっていると考えられます。
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Topic④ 1人あたりの事故発生件数でみると20代が最も多い
年齢層別に見た場合、特に20代のドライバーにおける1人当たりの事故発生件数が顕著に高い傾向が見られました。これは、社歴だけでなく単純に運転経験が浅いためと考えられます。
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■本調査が示唆すること
「企業における社歴」が事故発生率に大きく影響するという新たな視点を提供しました。また、年齢層別に見ると、20代のドライバーは1人当たりの事故発生率が他の年代に比較して高い傾向がありました。これは、ドライバー個人の運転技術や経験だけでなく、入社後の企業における安全教育の中でも、社歴が5年未満のドライバーに対してより重点的に教育を行うことで、加害事故発生リスク減少に繋がる可能性を示唆しています。
■株式会社Azoop COO土井浩司コメント
トラックによる交通事故の削減が社会的な課題となる中、特に秋の交通安全運動を控えたこの時期に、本調査結果を発表できることを大変意義深く感じております。これまで経験的に認識されてきたドライバーの事故傾向について、『社歴の浅いドライバー(入社5年目未満)は、年齢に関わらず事故リスクが高い』という定量的な調査結果を導き出すことができました。また、これまで事故の統計データでは年齢として50代やそれに近い世代の事故の件数が多いという情報を目にすることがありますが、本調査を踏まえると、その世代のドライバー人口が多いという背景が汲み取れます。むしろ、1人あたりの事故件数という意味ではドライバーとしての運転歴や会社での社歴(実務経験歴)が相対的に浅い20代が最も高いという示唆も得ることができました。
本調査結果は、単に運転経験年数だけでなく、企業に入社してからの期間、すなわち社内での教育やOJT、安全文化への適応が、事故防止において極めて重要であることを強く示唆しています。ベテランドライバーの経験蓄積が安全運転に寄与する一方で、特に社歴の浅いドライバーに対しては、より一層手厚い初期研修や継続的なサポート、きめ細やかな指導体制の構築が、事故削減に直結する課題であると言えるでしょう。
今回データ活用した『トラッカーズマネージャー』では、物流業界のドライバー向け安全教育に特化したeラーニングシステム「グッドラーニング!」の動画コンテンツを提供中であり、今回の調査結果を踏まえ、今後は企業ごとに最適化された安全教育コンテンツの開発・提供も視野に入れています。
本調査が、運送業界の皆様にとって、データに基づいた効果的な安全運転施策を立案・実行するための一助となり、ひいては社会全体の交通事故削減に貢献できることを心より願っております。株式会社Azoopは、今後もデータ分析および提供サービスを通じて、安全で持続可能な物流の実現に貢献してまいります。
■調査概要
調査対象データ:2020年3月〜2025年7月までの間に『トラッカーズマネージャー』に入力された
トラックドライバーおよび事故情報(実際に入力された事故の発生日時や、
期間は各社ごとに異なる)。
運送事故記録を記録している企業のドライバー総数は12,898名分、事故件数は7,239件分
(うち加害事故は3,436件)のデータが登録されており、集計・分析の便宜上、一部数値を
単純化しています。このため、実際の状況や条件により、結果が異なる場合があります。
調査目的 :ドライバーの社歴と年齢が事故発生率に与える影響を分析し、より効果的な安全教育や
研修プログラム開発のための知見獲得。
■株式会社Azoop 会社概要
所在地 : 〒105-0012 東京都港区芝大門2-5-5 住友芝大門ビル5階
代表者 : 代表取締役社長CEO 朴 貴頌(ぱく きそん)
設立 : 2017年5月15日
事業内容: 『トラッカーズ』の各種サービス企画・開発及び運営
商用車流通DX事業「トラッカーズオークション」
運送業務DX事業「トラッカーズマネージャー」
人材紹介事業「トラッカーズジョブ」 など
URL : https://azoop.co.jp/