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悲しい気持ち抱えないで ギャンブル依存症遺族会、福島でセミナー

10/07 11:50

自身の経験を振り返る神原代表

 ギャンブル依存症自死遺族会の設立に伴うセミナーが6日、福島県福島市で開かれ、参加者が依存症による自死撲滅に向けた思いを共有した。

 遺族会は遺族6人が7月、当事者や家族を支援するギャンブル依存症問題を考える会(東京都)内に設立。セミナーでは、考える会の田中紀子代表が「多くの自死遺族がいるのに知られておらず、遺族も声を上げられずにいた。悲劇を減らすために社会はどうしたらいいのかを話し合いたい」とあいさつした。

 遺族会の神原充代代表、服部善光さん(郡山市出身)が自身の経験を伝えた。精神科医の成瀬暢也埼玉県立精神医療センター副病院長が「依存症と自殺」と題して基調講演した。俳優で自死遺族でもある高知東生さんや田中代表による討論も行われた。

 神原代表は2年前に長男=享年(29)=を亡くした後の苦悩を振り返ったほか、ギャンブル依存症の自死遺族であることを言い出しづらく「悲しい気持ちを話せる場所が欲しかった」と話した。「ギャンブル依存症は死に至る病気。ただ、正しい知識を持てば回復できる」とも強調した。成瀬医師は「依存症者の飲酒や薬物使用、ギャンブルは生きづらさを抱えた人の孤独な『自己治療』だ」と説明。やめさせようとしたり、責めたりすることは逆効果とし「依存症の背景には人間不信がある。正直な気持ちを安心して話せる場所を持てれば、人に癒やされ、酒や薬物、ギャンブルに酔う必要がなくなる」とした。

 遺族会は、ギャンブル依存症による自死撲滅に向けた啓発、国への対策強化の要望、遺族同士の支え合いを目的に設立された。偶数月の1日にオンラインで遺族の集会を開くほか、春分の日を、故人をしのぶ日に制定し、イベントを開催する予定という。

 自殺を防止するために厚生労働省のホームページで紹介している主な悩み相談窓口は以下の通り。

▽いのちの電話
 (0570)783556(午前10時~午後10時)
 (0120)783556(午後4時~午後9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)

▽こころの健康相談統一ダイヤル
 (0570)064556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)

▽よりそいホットライン
 (0120)279338(24時間対応)
 福島、岩手、宮城各県からは
 (0120)279226(24時間対応)

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