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【選挙区情勢(上)】衆院選ふくしま1区、2区

10/11 09:20

 衆院解散を受け、15日公示、27日投開票で行われる第50回衆院選は事実上の選挙戦に突入した。新たな区割りの下で初の選挙となる県内4小選挙区は候補者の顔ぶれも固まり、15日の公示を前に各陣営が支持拡大を急ぐ。県内各選挙区の情勢を分析する。

 福島1区

 1区は立憲民主党の金子恵美(59)と自民党の亀岡偉民(69)の両氏が4度目の対決。県内で唯一、与野党一騎打ちとなる公算が大きい。2014年は亀岡氏が勝利、野党候補者を一本化する「野党共闘」が実現した17、21年は金子氏が競り勝った。

 前回の一騎打ちを制した金子陣営は、大票田の福島、伊達両市などで得票差を縮められたことに危機感を募らせ、勉強会などで支持者の結束を強めてきた。新たに加わった安達地方では立民前職の後援会を引き継いで態勢を整えたほか、参院議員時代の支持者を中心に支持拡大を訴える方針だ。県内選挙区で唯一、共産党が候補者擁立を見送ったことを念頭に「一緒に戦ってきたので間合いはできている」(陣営幹部)と”野党統一候補”として臨む構えだ。

 亀岡陣営は、福島市などの票田で組織引き締めを図るほか、安達地方の県議3人を自民が占める状況を生かし、組織的に政策や実績の浸透を図る。ただ党派閥裏金事件で党から厳重注意を受けた影響は未知数で陣営は不信払拭に苦心する。党の規定で今回は比例重複も認められない可能性も高く、勝利が必須の背水の戦いでもある。陣営関係者は「反省する姿を示しながら、国会での活躍を誠実に訴えるしかない」と気を引き締める。

 福島2区

 2区は11選を目指す立民前職の玄葉光一郎氏(60)に、自民前職の長男で新人の根本拓氏(38)が挑む。いずれも新人で共産の丸本由美子氏(62)、諸派の高橋翔氏(36)が割って入る展開だ。

 玄葉陣営は当選10回を支えてきた市町村単位の後援会組織に加え、母校である安積高同窓生や岳父佐藤栄佐久元知事の支援者らとともに浸透を狙う。旧3区で強固な支持基盤を築いてきたが、陣営幹部は「天王山は郡山」とみて後援組織をフル稼働させる。前回旧2区から出馬した立民前職との連携も深め、郡山市内全域での支持拡大に注力する。

 根本氏は、厚生労働相を務めた父匠氏の不出馬表明からわずか1週間で立候補を表明。短期決戦となるだけに陣営は「有権者にいかに浸透するか」が焦点とみる。匠氏の後援会組織を引き継ぎつつ、後継を見据えて昨年から「2万軒以上」(根本氏)に足を運んできた。青年団体など独自のつながりも生かして知名度向上を図る。

 丸本氏は、地盤の須賀川市をはじめ、郡山市でも街頭活動を強化し、草の根で子育て政策や経済対策を訴える。高橋氏はポスターや交流サイト(SNS)の活用で無党派層の取り込みを図る。

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