東京電力福島第1原発事故に伴い帰還困難区域となった飯舘村長泥、居住制限区域だった同村蕨平の住民が東電に対し、農地賠償の増額を求めた裁判外紛争解決手続き(ADR)で、原子力損害賠償紛争解決センター(ADRセンター)が仲介手続きを打ち切ったことが26日、分かった。通知は20日付。
関係者によると、同センターは打ち切りの理由について「東電が基準以上の支払いには応じられないとの理由で和解案を受諾しないため、和解仲介手続の継続が困難」とした。
同センターは昨年2月、田畑の財物損害を東電の基準よりも田んぼが43%、畑が25%上乗せすべきとした和解案を提示した。
東電が和解案を拒否したが、住民側は和解案の受け入れを決めていた。
和解案では、申し立てた71世帯76人分で約1億7千万円の上乗せを示していた。住民側の弁護人は今後について、「住民側の対応は未定」とした。