• X
  • facebook
  • line

【子育て応援隊】乳歯の虫歯予防 口の健康を守る第一歩

06/17 12:34

郡山市の「目指せ!320教室」の歯科健診の様子。乳歯の虫歯ゼロを保つために必要なことを、歯科医師が保護者にアドバイスします

 「歯がちょっと生えてきた!」。うれしい成長の発見ですが、この子どもの小さな歯を、虫歯から守っていくためにはどうすればいいのでしょうか。郡山市では、3歳までの乳歯の虫歯を防ぐ取り組み「目指せ!320教室」を行い、生涯を通した口腔ケアの大切さを伝えています。教室の様子と、歯科医師に聞いた虫歯予防のポイントを紹介します。

 郡山市が教室開催

 郡山市は、妊娠中から子ども、高齢者まで、ライフステージに応じた歯と口の健康づくりに取り組んでいます。

 「目指せ!320教室」は郡山歯科医師会の協力で行っており、目的は3歳まで20本の虫歯のない健康な歯をつくることです。内容は、歯科健診、歯磨き指導、希望者へのフッ化物塗布、栄養相談です。3歳までに3回無料で参加でき、市は1歳6カ月児健診の際や広報、HPなどで参加を呼びかけています。

 5日に開かれた教室に訪れた菅野天真ちゃん(2歳5カ月)は2回目の参加。母親の愛利さんによると、初回は少し泣いたそうですが、この日は少し慣れた様子。健診や歯磨き指導を受け、フッ化物を塗ってもらっていました。

 健診では、歯科医師から指導を受けるだけでなく、保護者が普段から気になっていることを気軽に質問できます。愛利さんは天真ちゃんの歯並びなどについて尋ね、対応についてアドバイスを受けました。「歯科医院に聞きに行くほどではないかもしれない、ちょっとしたことを聞けてよかった。どの歯科医院に行けばいいのかも分からないので、市の教室はありがたいです」と愛利さんは話しました。

 郡山市が現在の内容で教室を始めたのは2007年度。12年度に、3歳児の虫歯の数が中核市の中で最多となったことを受け、集団で行うフッ化物塗布を無料化するなど、幼児の歯の健康に向けた取り組みを強化してきました。22年度の市3歳児健診によると、虫歯のない3歳児は88.5%でした。市は33年には95%とすることを目指し、郡山歯科医師会と連携して取り組みを推進しています。

 教えて歯医者さん

 乳歯の虫歯を防ぐポイントを、北畠秀樹歯科医師(郡山市、きたばたけ歯科医院院長)に教えてもらいました。

乳歯の虫歯予防のポイント

Q なぜ乳歯の虫歯を防ぐ必要があるのですか?
A よくかめるようにすることが大切

 人間の歯は生え替わるから粗末に扱ってもいい、というわけではありません。歯でかんでものを食べることは、口の周りの筋肉を強くしたり、脳を刺激したりするため、乳歯のときからよくかめるようにすることが大切です。虫歯を防ぐ方法として、歯磨きをきちんと行う、歯科医院でフッ化物を塗る、などがあります。

Q 保育所や幼稚園などで昼に十分歯磨きができないときは?
A 1日1回は仕上げ磨き

 昼に十分歯磨きができなくても、おうちで1日1回、時間が取れるときに仕上げ磨きを行えば大丈夫です。

Q 仕上げ磨きを嫌がる時のこつは?
A 少しずつ慣らす

 素晴らしいこつは、ありません。なので歯が少し生えたら、親が口の周りを触ったり、マッサージをしたりするうちに、子どもが「口を触られて嫌だ!」と感じることが少なくなります。歯磨きも少しずつ慣らしながら定着させましょう。

Q いつ頃から歯科に行くとよいですか?
A 下の前歯生えた頃から

 歯科医に慣れるという意味では、下の前歯が生えてきた頃から歯科へ行き、口の中を見てもらったり触られたりするといいでしょう。虫歯予防として、上下の前歯が4本ずつ生える頃に歯磨き指導を受けたり、フッ化物を塗ってもらったりすることは大切です。

Q 親が仕上げ磨きをする時に気を付けることは?
A 歯の汚れや虫歯を確認

 じっくり見ることは難しいと思いますが、汚れがどのぐらい付いているか、歯に穴が開いていないか、舌に傷がないかを見てください。歯磨きを通しての触れ合いや、いつもと違う様子に気付くことが大切です。気になることは、かかりつけの歯科医に質問してください。

Q 飲食で気を付けることは?
A 「だらだら食べ」に注意

 歯磨きだけで虫歯を予防するのは難しいため、飲食の仕方に注意することが大切です。

 口の中は食べたり飲んだりすると酸性に傾くため、「だらだら食べる、飲む」ことが特によくありません。唾液には口の中を中性に戻す働きがありますが、頻繁に食べたり飲んだりすると唾液の作用が追い付かず虫歯になりやすくなります。

 「応援隊」新CM制作へ

 福島民友新聞社と福島中央テレビの共同キャンペーン「ふくしま子育て応援隊」は、福島大の学生と一緒に、子育てに関心を持ってもらうための新しいテレビCMを作ります。

 「ふくしま子育て応援隊人形劇CMプロジェクト」に参加する福島大の学生は、人形劇団ひとみ座の講義を受け、今年1月に人形劇の公演をしました。

 劇団ひとみ座は、NHKで放送された「ひょっこりひょうたん島」を演じたプロの劇団。同劇団員で同大OBの山下潤子さんが2014年から同大で講義をしてきました。1月の公演では、保育士や幼稚園教諭を目指す同大人間発達文化学類心理学・幼児教育コースの学生が、台本作りや人形制作など全てを担いました。

 同応援隊ナビゲーターの大橋聡子福島中央テレビアナウンサーが4月、学生と人形劇CMに向けて同コースの学生と打ち合わせをしました。同コースの柴田結衣さん(4年)は「子育てを身近に感じてもらえるような人形劇にしたい」と話しています。

人形劇の様子学生が1月に行った人形劇公演の様子

この記事をSNSで伝える:

  • X
  • facebook
  • line