〈うえからまっすぐ おしこまれて とんとん背なかを たたかれたあとで 行ってしまえと いうことだろうが〉。石原吉郎の詩「棒をのんだ話」の一節だ ▼石原のシベリア抑留経験を踏まえれば、ソ連によって抑留者に押し込まれた棒は、人を人として扱わない不条理。それを受け入れなければ生きられない〈なっとくづくの あいまいさ〉が収容所にあった。ただ尊厳を傷付けられたことへの抵抗か、棒を飲んだ側は歩かず〈つっ立っ...
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