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やり切った「約束の夏」 原町、存続危機乗り越え 高校野球

07/15 09:25

ピンチを切り抜け、ナインと喜びを分かち合う原町の小泉(中央)
試合後、互いの健闘をたたえ合った小泉(左)と相馬の宝

 部員不足による存続危機などの試練を乗り越え、たどり着いた「約束の夏」が終わった。14日に行われた夏の高校野球福島大会1回戦。相馬に敗れた原町の主将小泉直大(なお)(3年)は「やり切れたので後悔はない。最後が相馬、佑真と戦えて良かった」と相手エースに感謝の言葉を贈った。

 小泉と、相馬のエース宝佑真(3年)は中学時代に相双選抜でバッテリーを組み、2021年の東京五輪の始球式にも臨んだ仲。2人にとって夏は待ち望んでいた舞台だった。

 ただ、小泉にとっては簡単に迎えた大会ではなかった。1年前に発足した新チームの部員は3年生7人のみ。昨秋は単独チームを断念。伊達との連合チームと組んで県大会に出場した。

 「HARAKO」のユニホームで何としても単独出場したい―。その願いをかなえるため、小泉ら3年生は熱心に勧誘し続けた。ポスターを製作したり、部活動紹介でダンスを披露したり。野球部の明るさ、楽しさをアピールした。その努力が実り、今春に1年生6人が入部して13人となり、単独チームで夏を迎えることができた。

 6人は3年生にとって初めてできた後輩。一緒に白球を追いかけ、学校生活で助言するなどした3カ月半は宝物となった。「この試合で最後になるのは嫌だと思うほど最高の仲間だった。これからも原高の伝統を受け継いでいってほしい」。相馬の盟友との対決を終えた小泉は願いを込め、1年生にバトンを託した。(南哲哉)

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