◇第106回全国高校野球選手権福島大会・第4日(16日・あいづ球場ほか8試合)
福島明成 4-0 清陵情報
最後の打者を打ち取ると勝利が遠かったチームに、努力が報われる瞬間が訪れた。2安打完封した福島明成の先発牛坂颯斗(はやと)(3年)は「目標の初戦突破に貢献できた。しっかりとコースに投げ分けられた」と胸を張る。2015年以来9年ぶりの夏1勝。エースの圧巻の投球で長いトンネルを抜けた。
1年時から公式戦のマウンドを任されてきた牛坂。序盤で崩れる展開が多く、敗戦が続いた。今大会前に力みがあった投球フォームを修正すると、直球の回転数が向上した。身長182センチの長身から投げ下ろす直球とスライダーでコースを突き、7奪三振。練習試合も含めて初の完封勝利を収めると、捕手の三浦雄太(2年)とグラブでハイタッチして喜び合った。
その投球を支えたのは扇の要の三浦だ。「(球種は)全て任せていた」と牛坂が言うように、冷静なリードで先導。三浦は4回の好機で先制適時打も放った。9回一死で安打を許し、タイムをかけて円陣を組んだ際には「リードしているのは自分たち」と鼓舞した。
「次戦は無駄な四球を減らしたい」と牛坂。1勝にとどまらず、さらなる高みを目指す。(桜井駿太)