第106回全国高校野球選手権福島大会は第10日の27日、メイン会場のあづま球場(福島市)で準決勝2試合が行われる。
第1試合は午前9時30分からで、第1シード聖光学院と第4シード磐城が対戦する。第2試合は正午から第2シード学法石川と第6シード相馬が戦う。決勝は28日午前10時から、あづま球場で行われる。
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福島大会は4強が出そろった。68校62チームから勝ち上がった聖光学院、磐城、学法石川、相馬の戦力を分析する。
聖光、中軸が好調
終盤の勝負強さは健在で、準々決勝では七回に2点差を追い付き、九回に勝ち越した。3連覇に向けて勢いは十分だ。
打線は中軸を中心に高打率をマーク。3番菊地政善(2年)、5番志田隆之助(3年)、6番萩原大幹(同)が打率5割超え。1番竹田一遥(同)の出塁が鍵を握りそう。小技を絡めた攻撃も魅力的だ。
投手は高野結羽(ゆう)(同)と古宇田烈(同)が軸。エース高野は2回戦で日大東北を6安打に抑えて完封。古宇田は最速144キロの直球が切れ味抜群で、準々決勝では好救援を見せた。
磐城、光る機動力
伝統校が23年ぶりに準決勝の舞台に立つ。4試合で12盗塁を決めた機動力に注目だ。
背番号10の山田柊児(とうじ)(3年)が全試合で登板し、24回を投げて3失点。完投能力もある。3試合を一塁手で先発出場しているエース今泉岳陽(同)も心強い。
チーム打率は4チーム中トップの3割7分5厘。鈴木祥文(2年)は準々決勝こそ無安打だったが、打率7割超えと好調だ。3番湊一真(3年)、4番志賀映太(同)がいずれも4打点をマークしている。先発メンバーのほとんどが打率3割超えと隙がない。
学石、粘り強い打線
春夏連続で甲子園出場となれば33年ぶり。昨秋の東北大会のように粘り強く戦い、僅差の試合をものにしたい。
22得点のうち18得点が四回以降と、中盤から終盤にかけて打線がつながっている。大栄(おおさかえ)利哉(2年)と大友瑠(3年)は本塁打を放っており、パワーは十分。打率7割5分の2番福尾遥真(同)もけん引する。
けがの影響で春季県大会はメンバー外だった左腕佐藤翼(2年)が復帰。18回を投げ、2失点と安定している。6投手が登板しており、継投のタイミングが勝負の行方を左右しそうだ。
相馬、盤石の守り
投打がかみ合えば67年ぶりの決勝進出が見えてくる。ベスト4に進出した勢いそのままに相馬旋風を引き起こす。
チームの中心はエース宝佑真(3年)。全4試合に登板し、23回3分の2を投げて3失点、奪三振数は33。守備陣が4試合で1失策と堅守でもり立てている。
チーム打率は3割3分。1番関颯汰(はやた)(同)は打率5割で出塁率が高い。3番井上夏樹(同)は全試合で安打を放ち、5番木村聡太(同)は打率5割と中軸が機能している。4試合で奪った四死球は22で、安打以外でも好機をつくっている。