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「西久保遺跡」水場遺構、福島西道路予定地から移築・復元へ

08/10 09:55

 福島市平石の西久保遺跡から東北で初となる「水場遺構」が発見されたことを受け、福島市は8日、水場遺構を移築し復元する方針を示した。水場遺構が見つかった場所は、改築工事中の国道13号バイパス「福島西道路」。インターチェンジの構造物が設置される予定だが、市は移築により、貴重な遺跡を後世に伝えていく考えだ。移築方法や場所などは今後決めていく予定。

 8日の信夫地区自治振興協議会で木幡浩市長が明らかにした。西久保遺跡は、東北道近くにある奈良―平安時代の遺跡。福島西道路の改築事業に伴い発掘調査が行われている。「鎮兵(ちんぺい)」(東北地方に派遣された兵士)、「郡司」(地元の有力者)と書かれた二つの木簡が出土している。

 福島西道路の整備イメージと水場遺構の場所は【図】の通り。市によると、遺跡全体を保存する場合、福島西道路のルート変更が必要となり、2026年度の完成予定が10年以上遅れる。水場遺構を保存する場合もインターチェンジの中止をせざるを得なくなり、5年以上の遅れが生じるという。

 協議会に参加した住民からは早期の工事終了を求める意見が多く、反対意見はなかった。木幡市長は「遺跡を残しながら工事が遅れないよう両立したかったが難しい」と苦悩を語った。市は、移築に向けて今後も発掘調査を続けるという。

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