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【震災13年5カ月】移住相談や起業家育成 南相馬・MYSH

08/11 11:30

談笑する社員。代表の向井さんは「東京ではできないような暮らしや働き方ができる」と語る

 震災と原発事故後、浜通りでは新たな企業の進出に加え、避難後に再び古里に戻って再起する企業など産業復興の動きが進んでいる。国や県はイノベーション・コースト構想を掲げ、医療や廃炉などさまざまな分野の産業集積を図る。ただ産業復興に伴う地元への効果・恩恵は道半ばで、国や県の試行錯誤は続く。

          ◇

 地方のまちづくりに取り組むMYSH(マイッシュ、東京都)は2021年、南相馬市に南相馬支社を開設し、移住相談や地域交流イベントを開いてきた。代表の向井裕人さん(48)は「東京から特急1本で来ることができ、アクセスが良い。南相馬には外からの人を受け入れるマインドもあり、活動しやすい」と市内での事業のしやすさを語る。

 向井さんは、自分の手で地方創生に挑戦しようと17年、都内に会社を設立したが、「地方の中で行動したい」と、東日本大震災からの復興に取り組む同市への進出を決めた。支社では現在、Uターンを含む9人が働いている。移住相談窓口「よりみち」で、移住者目線で相談に応じているほか、移住者と地域の交流を深めるため、流しそうめんイベントなどを開催し、起業家の育成を目指す「事業化実現プログラム」も企画する。

 社員は畑を借り、パクチーや夏野菜を作っているといい、向井さんは「東京ではできないような暮らしや働き方ができる」と同市の魅力を語る。一方、飲食店や伝統文化などの魅力発信に課題や可能性を感じているという。向井さんは「課題は新規事業に挑戦するチャンス。これからも地域を盛り上げていきたい」と意気込む。


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