南相馬市小高区の桃内地区盆踊り交流会は11日、同市小高区の上耳谷公会堂で開かれた。東京電力福島第1原発事故以降、中止が続いていた「五大字盆踊り」に替わり、今回初めて開催した。台風5号の接近により盆踊りは行われなかったが、お盆を控えた地区には、住民らのにぎやかな声が14年ぶりに響き渡った。
地区では原発事故前、JR常磐線桃内駅近くの広場で、駅周辺の五つの地区(大字)の有志により、五大字盆踊りが開かれ、住民らが盆踊りを楽しんだ。仮装で参加する部門のほか、旧福浦小の児童が太鼓や笛の音色を奏でるなど、盛り上がりを見せたという。
原発事故後、住民が減る中、他の行政区が夏祭りを再開させるのを知った有志が「桃内地区でも」と交流会を開いた。台風の接近により規模は縮小されたが、おはやしが流れる中、住民らはバーベキューや輪投げをして交流を深めた。運営に当たった木幡賢治さん(65)は「子どもたちも来てくれて良かった」と語る。今回は試験実施の意味合いもあったといい、「来年は駅前の広場でもっと盛大にやりたい」と期待を膨らませた。