東京電力福島第1原発2号機の溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的取り出しが作業準備中のミスで中断した問題で、東電の小早川智明社長による斎藤健経済産業相への報告が延期となったことが2日、分かった。小早川氏が同日午後、経産省を訪れ、原因と対策を説明する予定だったが、直前に中止となった。取り出し作業の再開時期は未定。
東電によると、経産省から報告内容について指摘があり、内容の精査が必要になるとして斎藤氏への報告延期を申し出た。東電は準備が整い次第、斎藤氏に報告する。
東電は初のデブリ取り出しに向けた準備作業を8月22日に開始した。原子炉格納容器の貫通部から装置を差し込み、数グラムのデブリを試験的に採取する計画だったが、装置を押し込むパイプの取り付け順を間違えたことが開始直後に分かり、中断した。
斎藤氏は翌日の23日に小早川氏を経産省に呼び「東電の信頼に関わる極めて深刻な問題だ」と苦言を呈し、原因を確認して結果を報告するよう求めていた。