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飼育モグラの繁殖確認 福島大が世界初、生態解明へ

09/03 09:10

兼子伸吾准教授

 福島大と多摩動物公園(東京都)は2日、東日本を中心に生息するアズマモグラの飼育下での繁殖を確認したと発表した。モグラの飼育下での繁殖例はほかになく、世界初という。地中で暮らすモグラの生態は未解明な部分が多く、生態解明に向けた大きな成果としている。

 多摩動物公園はかねてモグラの飼育や繁殖に取り組んでいる。雌雄2頭を一緒に飼育していたケース内で昨年7月、計3頭(うち1頭は死んだ状態)が見つかり、ケース内で繁殖したことが判明した。

 アズマモグラは外見から雌雄を見分けることが困難なため、PCR法で性別判定を行うと、生きているモグラは雌雄1頭ずつと判明。さらに、アズマモグラの親子鑑定に実績のある福島大共生システム理工学類の兼子伸吾准教授がDNA分析で鑑定した結果、死んで発見された雌が子のモグラだと分かった。子は死んだ状態だったものの、飼育下で繁殖した事実は生物学的に貴重な知見だという。

 アズマモグラの寿命は野生で3年程度。飼育していた雌雄2頭のうち、現在は母親のみが生きている。

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